今、ここにいる訳
「ナイロビの蜂」を観たあと、部屋でアルバムを見てみた。
今から8年前の写真だ。
以前にも書いたかもしれないが、
あの時ネパールに行ったハナタレ坊主は、今医学部にいる。
医学部にいてそれなりに忙しい日々を過ごしていると、
自分のやりたかったことが見えなくなることがある。
自分はまずどんな医者になりたいのか。
何科に進みたいのか。専門は何にするのか。
研究をしたいのか。海外留学をするのか。
勤務医を目指すのか。開業を目指すのか。
将来、どこの県で何科ならやっていけるとか。
どこどこの病院はいいとか、悪いとか。
論文書くなら、どこに留学するといいとか。
で、医局入らないかとか。
でも実のところ、最先端の医療とか、研究とか、論文とか、
あんまり興味がわかない。
いつもは「面倒だから」みたいな雰囲気で納得している自分だが、
こういった映画を観たりすると気付く。
「海外に行きたいからだ」と。
8年前に海外の医療活動に触れた経験が、
ここに導いた結果、自分はここにいる。
それを思い出した。
理想と理屈を捏ね回してばかりで、
対人コミュニケーションの不得意な自分にすぐに出来る事だとは思わない。
でも、一歩踏み出そうと思う。
そして、世界の人々と「共にいきる」医師であり人間を目指したい。