その先にあるものは…

週末にとあるイラストレーターさんの新作版画展示即売会を見学。
30万以上する版画を、売る気全開のお姉さんにかなり引く。


それはそれとして、
作品はいわゆるミックスドメディアと言われる技法で摺られていて、
詳しくは知らないが、ラッセンが編み出したとか、そうでないとか。
複数の技法を駆使して、実に綺麗な版画ができる。
たしか、セリグラフとかがベースだったようにも思う。
(そのうち調べておきます)


作品を観て、良かった点は、
・線がすごく繊細で、色がものすごく綺麗!
  とても、素人木版画にはできない技術を観れました
・絵師、摺師という昔の構造が変わっていない!
  浮世絵もそうだけど、そういうお互いのプロフェッショナルさが、
  尊重されているようで嬉しかった


逆に、どうかと思うのは、
・これほど美しくCGにそっくりな版画にどんな意味があるのか?
  もちろん、CGでは出せない質感やラメのようなものも入っていたけど、
  ここまでして、版画にこだわる必要があるのか疑問


自分にはCGは描けない。
だからこそ、木版画でしか出せない表現をしたい。
それが、自分の根っこにある。


きっとミックスドメディアも素人には分からない、
独特の技法や表現が満載なのだろうと思う。
けれども、あそこまでCGの再現性が高いと、
綺麗過ぎて、「味」が損なわれているのではないかと思う。
版画という手作業、アナクロな感じがしない。


でもまぁ、別にそんなもの必要ないのかもしれないし、
正直、ひがんでいるというところもある。
だって、すごい綺麗なんだよ。ホント。


…。
……。
………。


散々に書いておいてなんだけど、
そういう世界に生きている人がいて、自分にはそういうことはできない。
自分は自分の畑で仕事をするのみ。
そういった他人の畑を覗くことが出来ただけでも良かったのかな…。