あの空にもう一度…


15年前、世界を震撼させたあの戦争。
その時俺は小学生だった…。


親父は「片羽根の妖精」とともに空を舞い、
語られぬ戦争の中を生きた。
もちろん、詳しいことは知らない。
情報管制がしかれていたし、お袋も多くを語ろうとはしなかった。


…。
……。
………。


今俺はサンド島にいる。新兵の一人だ。
血は争えないってやつなんだろう。


俺は親父が見たもの、感じたことを知りたい。
親父はなぜ姿を消したのか。円卓で何があったのか。
…そして自分は何者なのかも。

………。
今日はナガセたちのフライトだ。俺は出ない。
あとはどこかの記者が大尉の機に乗るといっていたか…。


平和との境界。その島でのフライトはまだ緊張感に欠けていた。